cover

鎌倉海と山のある暮らし

安西篤子/沢田重隆

東国の武士たちが集った歴史の舞台、伝統と町の暮らしと豊かな自然が溶け合った町、鎌倉ー鶴岡八幡宮の裏手に住む著者が語る、鎌倉暮らしのすべて。一人歩いた浄智寺、駆込寺法を教えていただいた東慶寺、花見に集まる大仏の高徳院、家族で出かける江ノ島神社…どこか優しげな鎌倉の社寺。門付けにこられる僧や御用聞きの思い出、孫たちが集まる夏のにぎわい、やぶさめや薪能、花を見に来る友人たち、祭りで活躍する見知った顔…四季の暮らしの中に見る鎌倉。谷戸と切通しと海にしっかりと守られながら、気取りのない古都の暮らし。鎌倉ゆかりの文士たちとの思い出や、歴史の栄華や悲劇を拾いつつ、鎌倉のありのままの姿を綴り、沢田重隆の絵が古都の趣きと山から海へと連なる風景を見事に捉える。生活者の目から、これまでにない姿を描き出した、暮らしの中の鎌倉論。

安西篤子/沢田重隆

安西 篤子(あんざい あつこ、1927年8月11日 - )は、日本の小説家。 == 人物 == 兵庫県武庫郡須磨村(神戸市須磨区)村雨町生まれ。父は福島県出身で横浜正金銀行に勤務した安西政一郎。母は東京都の出身。妹に作家の杉本晴子がいる(本項に記述)。幼少時父の勤務でドイツ、中国に住まい、青島高等女学校をへて、1945年神奈川県立横浜第一高等女学校(現・神奈川県立横浜平沼高等学校)卒。46年冨中暁と結婚、長女、長男を儲ける。 1953年中山義秀に師事して小説を書き始め、65年『張少子の話』で直木賞。