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大正ロマンの真実

三好徹

大正の十五年は、国家建設に邁進した明治の四十五年、昭和激動の六十四年の狭間にあって、大正デモクラシー、大正ロマン、民本主義など、現代の都市文化・大衆社会の始まりが出揃い、短いがその内容は色彩豊かである。本書では、政変や汚職、殺人や情死などの代表的な八つの事件を、信頼できる史料に基づいて発掘し、その真実は何であったかを再確認し、時代の流れを明らかにする。

三好徹

三好 徹(みよし とおる、1931年1月7日 - )は、日本のジャーナリスト、作家。東京生まれ。推理小説、スパイ小説、歴史小説などを発表した。本名は河上雄三。 == 経歴と作品 == === 生い立ちと作家デビュー === 小学生時代は「雷電為右衛門」などの少年講談や推理小説を愛読。旧制中学校1年の時に陸軍幼年学校を目指したが不合格、2年修了時に合格して、14歳で第二志望だった名古屋陸軍幼年学校に入学した。東京幼年学校の同期に西村京太郎、名古屋幼年学校の2期上に加賀乙彦がいた。敗戦で元の学校に戻り、東京府立第一商業学校(現・東京都立第一商業高等学校)卒業後、横浜高等商業学校(在学中に横浜国立大学経済学部に改名)に進学、在学中はケインズ経済学を専攻し、また学校新聞の編集長もしていた。