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竜馬を斬った男

早乙女貢

会津藩士の三男坊・佐々木只三郎。精武流の剣と宝蔵院流の槍を学び、立身を夢見て江戸へ。やがて京へ上った只三郎は、その剣技と知謀を認められ、京都見廻組与頭となる。討幕を呼号する尊皇過激派の跳梁跋扈が熾烈化すると、まず尊皇派の清河八郎を暗殺、そして坂本竜馬を狙い…。表題作他、激動の幕末を至純な情熱で駆け抜けた若者たちと、彼らを愛した女たちの切なく哀しい生き様を描く全七篇。

早乙女貢

早乙女 貢(さおとめ みつぐ、1926年1月1日 - 2008年12月23日)は、日本の歴史小説・時代小説作家。満州・ハルビン生まれ。本名は鐘ヶ江秀吉、ペンネームは「若い娘に金品を貢ぐ」の意味。慶應義塾大学文学部中退。代表作に吉川英治文学賞を受賞した『會津士魂』など。 == 経歴 == === 生い立ち === 曾祖父の為親が会津藩士で、戊辰戦争後にアメリカに渡り、いったん横浜に帰国するがすぐに上海に渡り、一家は中国に住む。1926年1月1日、ハルビン市ポツレヤ街10号3番地4で生まれ、父茂一届出、同月12日ハルビン駐在総領事天羽英二受付、同月28日送付入籍。1946年に九州に引き揚げる。