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D菩薩峠漫研夏合宿

藤野千夜

都心の有名男子校・あおい学園の漫画研究部の夏合宿は、D菩薩峠のバンガローに持ち込んだ漫画本を一週間ひたすら読む、だけ。副産物として、合宿中にお熱いカップルがいくつも出来上がるらしい。高一の「わたし」は、出発前に「おにいさま」からのメモを見つけ、胸を高鳴らせていた。メモは、本気なのか冗談なのか、予告なのか悪戯なのか。「おにいさま」はいったい誰なのか。テレビもラジオもない漫画漬けの日々、熱愛カップルの復活、お耽美なOB達の乱入、肝だめしの夜、消えたパンツ、意外な告白、夜更けの甘いあえぎ声…。ずっと誰からも愛されないかもしれないと怯えていた15歳の「わたし」の物語。

藤野千夜

藤野 千夜(ふじの ちや、1962年2月27日 - )は、日本の小説家。 == 経歴 == 福岡県出身。麻布中学校・高等学校、千葉大学教育学部卒業。 漫画雑誌の編集者を経て、1995年「午後の時間割」で第14回海燕新人文学賞を受賞し小説家に転身。1996年『少年と少女のポルカ』で第18回野間文芸新人賞候補。1998年『おしゃべり怪談』で第20回野間文芸新人賞受賞。1999年「恋の休日」で第121回芥川賞候補。2000年「夏の約束」で第122回芥川賞受賞。