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硫黄島・あゝ江田島

菊村 到

2万人以上の日本兵が亡くなった硫黄島で辛くも生き残り、終戦後も3年以上穴居生活を続けた片桐正俊。「投降時に岩穴に隠した日記を取りに行けることになったので、そのことを記事にしてほしい」と新聞記者である“私”に依頼する。だが、片桐はせっかく再上陸できた硫黄島で、自死してしまう。その原因を探るべく奔走する“私”は、やがて戦争が片桐の心に刻みつけた傷の深さを知ることになるー。第37回芥川賞を受賞した「硫黄島」のほか、海軍兵学校に通う若者の葛藤を描き、映画化もされた青春群像「あゝ江田島」など、戦争文学の名作短編6篇を収録。
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菊村 到

菊村 到(きくむら いたる、1925年5月15日 - 1999年4月3日)は作家、小説家。神奈川県平塚市出身。本名は戸川 雄次郎(とがわ ゆうじろう)。 == 人物 == 旧制湘南中学を経て、1944年に仙台陸軍予備士官学校へ入学。翌年卒業し秋田へ見習士官として赴任したが、そこで終戦を迎える。復員直後から早稲田大学文学部英文学科へ通い、この頃から執筆活動を始める。 1948年、大学卒業と共に読売新聞社へ入社。社会部の記者として活動する傍らで執筆活動を行うようになり、同年6月に『川の上』1949年10月に『死臭』を発表し作家としてデビュー。
誕生戸川 雄次郎1925年5月15日 日本・神奈川県平塚市
死没(1999-04-03) 1999年4月3日(73歳没)
職業小説家
言語日本語
国籍日本
最終学歴早稲田大学
ジャンル小説
代表作『不法所持』(1957年)『硫黄島』(1957年)
主な受賞歴文學界新人賞(1957年) 芥川龍之介賞(1957年)
親族戸川貞雄(父)戸川猪佐武(兄)