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別れる理由(4)

小島 信夫

文芸誌「群像」に連載された、小島信夫の“執念の大作”第4巻。前巻で描かれた、ミュージカルとも前衛演劇ともつかない「夢くさい」世界が、一気に暴走を始める。妻・京子の実子、康彦の担任である女教師・野上と主人公・前田永造の淫靡な世界が繰り広げられたかと思えば、永造は突如として馬になって、王妃が誘拐されたことに端を発するトロイ戦争について考察を始めたりするー。単なる夢でもなく、単なる現実でもない奇妙な意識世界。時間の流れも、舞台がどこなのかも判然としないカオスの極みを描ききる、鬼才・小島信夫の真骨頂。
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小島 信夫

小島 信夫(こじま のぶお、1915年(大正4年)2月28日 - 2006年(平成18年)10月26日)は、日本の小説家・評論家。 == 略歴 == 岐阜県稲葉郡加納町(現・岐阜市加納安良町)出身。旧制岐阜中学校(現・岐阜県立岐阜高等学校)、第一高等学校を経て、1941年東京帝国大学文学部英文科卒業。卒業論文は『ユーモリストとしてのサッカレイ』。 1942年より中国東北部で従軍、敗戦でポツダム上等兵(伍長)。1946年復員し、1948年4月から千葉県立佐原女子高等学校で教え、1949年度より東京都立小石川高等学校に移る。1954年からは明治大学工学部助教授として英語を教え、1961年に理工学部教授に昇格、以後1985年の定年まで勤務する傍ら旺盛な文筆活動を行った。 2006年10月26日、肺炎のため91歳で死去した。
誕生1915年2月28日 日本・岐阜県稲葉郡加納町(現・岐阜市加納安良町)
死没(2006-10-26) 2006年10月26日(91歳没)
職業小説家
言語日本語
国籍日本
教育学士(文学)
最終学歴東京帝国大学英文学科卒業
活動期間1953年 - 2006年
ジャンル小説
文学活動第三の新人
代表作『アメリカン・スクール』(1954年)『抱擁家族』(1965年)『別れる
主な受賞歴芥川龍之介賞(1955年)谷崎潤一郎賞(1965年)芸術選奨(1973年
デビュー作『小銃』(1953年)