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さくらんぼジャム

庄野 潤三

幼稚園の年長さんになった庄野家・次男の子、文子(フーちゃん)は、作者の家(山の上の家)のすぐ下に住んでいる。ことあるごとに(ときには一日に何度も)行き来をしては、作者の妻が洋服をつくってあげたり、ご近所さんからいただいた季節の風物をともに楽しんだりしていた。そんな、まさに目の中に入れても痛くないほどかわいがっている孫が、隣駅の街に引っ越すことに。そしてほどなく卒園、小学生になり、ひとつの時代が終わりを告げる。妻は「フーちゃん、いちばん可愛いときに近くにいて遊ばせてやれてよかった」と何度もつぶやくー。足柄に住む長女夫婦、“山の下”に住む長男・次男夫婦、そして近所の人たちとの交流を写実的に、丹念に描く「フーちゃん三部作」完結編。気鋭の庄野潤三文学研究者・上坪裕介氏が「三部作」を通じた解説を寄稿。
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庄野 潤三

庄野 潤三(しょうの じゅんぞう、1921年(大正10年)2月9日 - 2009年(平成21年)9月21日)は、日本の小説家。庄野英二の弟。大阪府生まれ。九州大学東洋史学科卒。『愛撫』で認められ、『プールサイド小景』で芥川賞受賞。「第三の新人」の一人と目され、『静物』『タべの雲』『絵合せ』など、都市生活者の不安定な日常を、穏やかな描写と叙述で深く彫り上げた作品を多く発表した。芸術院会員。 == 来歴・人物 == 大阪府東成郡住吉村(現・大阪市)出身。
誕生1921年2月9日大阪府東成郡住吉村
死没(2009-09-21) 2009年9月21日(88歳没)神奈川県川崎市
墓地長泉院(神奈川県南足柄市)
職業小説家
言語日本語
国籍日本
教育文学士
最終学歴九州帝国大学法文学部東洋史学科
活動期間1953年 - 2006年
ジャンル小説
文学活動第三の新人
代表作『プールサイド小景』(1955年)『静物』(1960年)『夕べの雲』(1
主な受賞歴芥川龍之介賞(1955年)新潮社文学賞(1960年)読売文学賞(1966