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夏物語

川上未映子

世界十数ヵ国で翻訳決定! 生まれてくることの意味を問い、人生のすべてを大きく包み込む、泣き笑いの大長編。 著者渾身の最高傑作! 大阪の下町に生まれ育ち、小説家を目指し上京した夏子。38歳になる彼女には、ひそやかな願いが芽生えつつあった。「自分の子どもに会いたい」——でも、相手もおらんのに、どうやって? 周囲のさまざまな人々が、夏子に心をうちあける。身体の変化へのとまどい、性別役割をめぐる違和感、世界への居場所のなさ、そして子どもをもつか、もたないか。悲喜こもごもの語りは、この世界へ生み、生まれることの意味を投げかける。 パートナーなしの出産を目指す夏子は、「精子提供」で生まれ、本当の父を探す逢沢潤と出会い、心を寄せていく。いっぽう彼の恋人である善百合子は、出産は親たちの「身勝手な賭け」だと言う。 「どうしてこんな暴力的なことを、みんな笑顔でつづけることができるんだろう」 苦痛に満ちた切実な問いかけに、夏子の心は揺らぐ。この世界は、生まれてくるのに値するのだろうか——。 芥川賞受賞作「乳と卵」の登場人物たちがあらたに織りなす物語は、生命の意味をめぐる真摯な問いを、切ない詩情と泣き笑いの極上の筆致で描き切る。 ページを繰る手が止まらない、エネルギーに満ちた世界文学の誕生!

川上未映子

川上 未映子(かわかみ みえこ、1976年8月29日 - )は、日本の小説家、詩人、元歌手。 == 来歴 == 大阪府大阪市城東区に生まれる。大阪市立すみれ小学校、大阪市立菫中学校を経て大阪市立工芸高等学校でデザインを学ぶ。高校卒業後は弟を大学に入れるため、昼間は本屋でアルバイト、夜は北新地のクラブでホステスとして働いた。 1996年、日本大学通信教育部文理学部哲学専攻科入学。 2002年、ビクターエンタテインメントより川上三枝子名義で歌手デビュー、アルバム『うちにかえろう~Free Flowers~』を発表。「未映子」と改名し音楽活動を行う。2004年にアルバム『夢みる機械』を発表。
誕生川上 三枝子(かわかみ みえこ) (1976-08-29) 1976年8
職業作家
言語日本語
国籍日本
最終学歴大阪市立工芸高等学校卒業
活動期間2007年 -
ジャンル小説・詩・随筆
代表作『乳と卵』(2008年)『ヘヴン』(2009年)『あこがれ』(2015年
主な受賞歴芥川龍之介賞(2008年)中原中也賞(2009年)紫式部文学賞(2010
デビュー作『わたくし率イン歯ー、または世界』(2007年)
配偶者阿部和重(2011年 - )
公式サイト川上未映子の純粋悲性批判