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出星前夜

飯嶋和一

キノベス1位&大佛次郎賞受賞作! 大佛次郎賞+キノベス第1位の2冠に輝いた、歴史超大作! 寛永14年(1637)、突如として島原を襲った傷寒禍(伝染病)は、一帯の小児らの命を次々に奪い始めた。有家村の庄屋・鬼塚甚右衛門は旧知の医師・外崎恵舟を長崎から呼ぶが、代官所はあろうことかこの医師を追放。これに抗議して少年ら数十名が村外れの教会堂跡に立てこもった。 折しも代官所で火事が発生し、代官所はこれを少年らの仕業と決めつけ討伐に向かうが、逆に少年らの銃撃に遭って九人が死亡、四人が重傷を負った。 松倉家入封以来20年、いっさいの抵抗をしてこなかった旧キリシタンの土地で起こった、それは初めての武装蜂起だった‥‥。 結局は幕藩体制そのものに抗うことになる海民・土豪らの絶望的な戦いがここから始まる。向かう先は破滅にほかならなかったが、それでも彼らが戦うことを選んだのはなぜだったのか? 原稿枚数1200枚! 大部ながら一気に読ませる本作もやはり「飯嶋和一にハズレなし!」である。

飯嶋和一

飯嶋 和一(いいじま かずいち、1952年12月20日 - )は、日本の小説家。ジャンルは主に歴史小説。 == 来歴・人物 == 山形県山形市生まれ。法政大学文学部卒業。中学校教諭、予備校講師などを経て執筆活動に専念。これまで刊行された長編作品は文芸誌の連載ではなく、全て書き下ろしの小説である。2009年8月から刊行されている小学館の「STORY BOX」に、初めての連載となる『狗賓童子の島』を執筆している。2012年5月に連載終了後、翌月号より新連載『灯守り』が始まる。