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怒りの子

高橋たか子

自分を掴もうとして空転を重ねる美央子。そんな美央子を姉のように見詰める、超然とした初子。美央子と同じアパートに住み、常に彼女にまつわりつく、虚言癖を持つますみ。三人の女性の緊迫した心理の劇は、美央子の松男への強引な思い入れを契機に、破局へと突き進む。昭和五十年代後半の京都の町家を舞台に、周密な言葉運びと夢の持つ暗示力で、人間の内面の混濁の諸相を描破した、読売文学賞受賞作。

高橋たか子

高橋 たか子(たかはし たかこ、1932年(昭和7年)3月2日 - 2013年(平成25年)7月12日)は、日本の小説家。旧姓岡本、本名和子(たかこ)。夫高橋和巳の死後本格的に作家活動に入り、『空の果てまで』『誘惑者』などを発表。愛憎を超えた不可解な心理の深層を描き続けた。カトリックに入信、渡仏して観想修道生活を送った(のち還俗して帰国)。 == 来歴・人物 == 京都府京都市下京区醒ヶ井通仏光寺下ル荒神町で、父・岡本正次郎、母・達子の長女として生まれる。父親は旧制名古屋高等工業学校建築科を卒業し、京都府警察部建築課に勤めていた。尋常小学校時代に等持院北町に転居し、京都府立嵯峨野高等女学校から府立山城高校を経て、1954年(昭和29年)、京都大学文学部フランス文学科卒。
誕生岡本 和子1932年3月2日京都府京都市下京区
死没(2013-07-12) 2013年7月12日(81歳没) 日本 神奈川
言語日本語
国籍日本
最終学歴京都大学文学部フランス文学科卒
ジャンル小説
代表作『空の果てまで』(1974年)『誘惑者』(1976年)『ロンリー・ウーマ
主な受賞歴田村俊子賞(1973年)泉鏡花文学賞(1976年)女流文学賞(1977年
配偶者高橋和巳