「細香日記」
南條範夫
剣豪小説の名手が贈る、明朗な青年剣士の名推理 鋭いロジックと意表をつく展開で魅せる傑作17編 徳川11代将軍家斉の時代。時の老中・松平伊豆守信明を伯父にもつ、明朗で人懐っこい青年剣士・月影兵庫。彼は伯父の秘命を帯びた道中や、相棒の安との旅路で様々な事件に遭遇する。その度に、兵庫は鋭い洞察と上段霞切りを始めとした武芸を駆使し、解決していく。大雨で足止めを食らった人々が滞在する旅籠で、殺人が起こる「血染めの旅籠」。盗賊が豪商から盗み出した千両箱の在処を探す「偉いお奉行さま」。行方不明になっていた村で評判の美人が4年ぶりに帰還。それを機に奇怪な殺人が起きる「帰ってきた小町娘」など、傑作17編を収録する。 【収録作】 「上段霞切り」 「通り魔嫌疑」 「血染めの旅籠」 「首のない死体」 「大名の失踪」 「二百両嫌疑」 「森の中の男」 「偉いお奉行さま」 「帰ってきた小町娘」 「掏摸にもすれないものがある」 「私は誰の子でしょう」 「鬼の眼に涙があった」 「乱れた家の乱れた話」 「ただ程高いものはない」 「理窟っぽい辻斬り」 「殺したのは私じゃない」 「殺しの方法は色々ある」 編者解説=末國善己