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海狼伝

白石一郎

【第97回(1987年)直木賞受賞作】 ときは戦国。海と船への憧れを抱いて対馬で育った少年笛太郎は、航海中、瀬戸内海を根城とする村上水軍の海賊衆に捕まり、その手下となって、やがて“海の狼”へと成長していく。日本の海賊の生態をいきいきと描いた、夢とロマンが香る海洋冒険時代小説の最高傑作。「海を舞台にした小説は外国には多い。海洋冒険小説という一つのジャンルが確立しているほどである。四面環海の日本にそれがないというのは、ふしぎな現象だ。(略)日本の海洋小説の一里塚を築けたとすれば、私としては本当にうれしい」(「著者のことば」より)

白石一郎

白石 一郎(しらいし いちろう、1931年(昭和6年)11月9日 - 2004年(平成16年)9月20日)は日本の作家。 == 略歴・人物 == 釜山の生まれで本籍は壱岐市。終戦までは釜山、戦後は佐世保市で育つ。長崎県立佐世保北高等学校、早稲田大学政治経済学部卒業。 大学在学中より、懸賞小説に応募を始めた。卒業後はタイヤ販売に従事するが、性に合わずに帰郷。父の経理事務所で働くかたわら、創作活動に励んだ。1955年、「臆病武者」が地方新聞の懸賞に一席入選。