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團十郎切腹事件

戸板康二

ミステリ史に燦然と輝く老歌舞伎役者・中村雅楽の名推理 第1巻は、第42回直木賞受賞作「團十郎切腹事件」など全18編 江戸川乱歩に見いだされ、旧「宝石」誌に掲載された「車引殺人事件」にはじまる、老歌舞伎役者・中村雅楽の推理譚。複雑な人間模様の歌舞伎界、芸能界を中心に起こる様々な事件や謎を竹野記者が持ち込むや、鮮やかに解き明かす。美しい立女形の失踪事件を解決する「立女形失踪事件」。旅先の旅館で自刃を遂げた八代目市川團十郎の謎を読み解く、第42回直木賞受賞作「團十郎切腹事件」など全18編。立風書房版作品ノートをはじめ、講談社文庫版後記なども併録。ミステリ史に燦然と輝く、中村雅楽の名推理の数々を完全収録する《中村雅楽探偵全集》堂々開幕! 【収録作】 「車引殺人事件」 「尊像紛失事件」 「立女形失踪事件」 「等々力座殺人事件」 「松王丸変死事件」 「盲女殺人事件」 「ノラ失踪事件」 「團十郎切腹事件」 「六スタ殺人事件」 「不当な解雇」 「奈落殺人事件」 「八重歯の女」 「死んでもCM」 「ほくろの男」 「ある絵解き」 「滝に誘う女」 「加納座実説」 「文士劇と蠅の話」 河出書房新社版『車引殺人事件』 序=江戸川乱歩 旧「宝石」所収各編解説=江戸川乱歩 立風書房版『團十郎切腹事件』 作品ノート=戸板康二 立風書房版『奈落殺人事件』 作品ノート=戸板康二 講談社文庫版『團十郎切腹事件』 後記=戸板康二 創元推理文庫版編者解題=日下三蔵

戸板康二

戸板 康二(といた やすじ、1915年12月14日 - 1993年1月23日)は日本の演劇・歌舞伎評論家、推理作家、随筆家。 == 来歴 == 東京市(現東京都港区)芝三田四国町出身。旧姓山口。藤倉電線に勤める父・三郎、母ひさの長男として生まれる。父親の仕事の関係で中国に引っ越し、上海小学校に通い、帰国後愛宕小学校(東京都港区)に入学。山口家に男子が生まれたら母方の戸板家の養子になる約束があり、初めは「康夫」と名付けられたが、養子になった1923年7月9日、「康二」と改める。 幼時、母方の祖母で戸板裁縫女学校の創立者である戸板関子の養子となる。関東大震災のとき、鎌倉材木座の別荘にいた母親が幼い次男をかばって圧死するも、康二は東京の自宅にいたため難を逃れる。