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張少子(チャンシャオツ)の話

安西篤子

兄王への謀叛を企んだとされ、追われる身となった季王韶(しょう)。名を秘し、張少子(チャンシャオツ)と呼ばれ、逃亡生活に入った。牛荘(ニュウチャン)で奉公をはじめ、お嬢様の趙小姐(チョウシャオチェ)と打ち解けるが、少子が正体を明かすと……。という直木賞受賞作の「張少子の話」ほか、妲己(だっき)・曹操など歴史上の人物を題材に、謀略・反乱・悲恋……、歴史を題材に虚実を取り混ぜて描く、傑作中国歴史短編7編。

安西篤子

安西 篤子(あんざい あつこ、1927年8月11日 - )は、日本の小説家。 == 人物 == 兵庫県武庫郡須磨村(神戸市須磨区)村雨町生まれ。父は福島県出身で横浜正金銀行に勤務した安西政一郎。母は東京都の出身。妹に作家の杉本晴子がいる(本項に記述)。幼少時父の勤務でドイツ、中国に住まい、青島高等女学校をへて、1945年神奈川県立横浜第一高等女学校(現・神奈川県立横浜平沼高等学校)卒。46年冨中暁と結婚、長女、長男を儲ける。 1953年中山義秀に師事して小説を書き始め、65年『張少子の話』で直木賞。