cover

落ちる

多岐川恭

自己破壊衝動に駆られる危うい精神状態の男の物語「落ちる」、万年平行員のささやかな逆襲「ある脅迫」、完全犯罪かと思われた事件の皮肉な露顕「笑う男」―第四十回直木賞を受けた三編のほか、囚われの身となった老人の視点でユーモラスに描く「私は死んでいる」や、青少年期の感傷をリリカルに謳う「みかん山」、「黒い木の葉」など、多彩な趣向に満ちた初期の秀作十編を収録。第四十回直木賞受賞作。

多岐川恭

多岐川 恭(たきがわ きょう、1920年1月7日 - 1994年12月31日)は、日本の小説家、推理作家。本名、松尾 舜吉。福岡県八幡市(現・北九州市)生まれ。東京帝国大学経済学部卒業。 毎日新聞社西部本社に勤務する中、白家太郎(しらが たろう)の筆名で小説を書く。1958年、『濡れた心』で江戸川乱歩賞、『落ちる』で直木賞を受賞。本格物からSF、時代ミステリーまで、多数の作品を発表した。また「ゆっくり雨太郎捕物控」などの時代小説もある。
誕生(1920-01-07) 1920年1月7日 福岡県八幡市(現・北九州市
死没(1994-12-31) 1994年12月31日(74歳没)
職業小説家推理作家
言語日本語
国籍日本
最終学歴東京帝国大学経済学部卒業
ジャンル推理小説時代小説
主な受賞歴直木三十五賞(1958年)