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共喰い

田中慎弥

一つ年上の幼馴染、千種と付き合う十七歳の遠馬は、父と父の女の琴子と暮らしていた。セックスのときに琴子を殴る父と自分は違うと自らに言い聞かせる遠馬だったが、やがて内から沸きあがる衝動に戸惑いつつも、次第にそれを抑えきれなくなって―。川辺の田舎町を舞台に起こる、逃げ場のない血と性の物語。大きな話題を呼んだ第146回芥川賞受賞作。文庫化にあたり瀬戸内寂聴氏との対談を収録。

田中慎弥

田中 慎弥(たなか しんや、1972年(昭和47年)11月29日 - )は、日本の小説家。2005年(平成17年)に『冷たい水の羊』で第37回新潮新人賞を受賞後、いくつかの文学賞受賞を経て、2012年(平成24年)に『共喰い』で第146回(平成23年/2011年下半期)芥川賞を受賞した。 == 来歴 == === 生い立ち === 山口県下関市出身。4歳の頃に父を亡くし、母親と二人暮らしで育つ。中学生頃から、父の遺した蔵書に親しみ、司馬遼太郎や松本清張の作品を愛読する。また、母に買ってもらった文学全集も好んで読み、特に川端康成、谷崎潤一郎、三島由紀夫の作品を愛読した。その後、山口県立下関中央工業高等学校に進学した。高等学校を卒業後、大学を受験するも不合格となる。
誕生(1972-11-29) 1972年11月29日(47歳) 山口県下関市
職業小説家
言語日本語
国籍日本
最終学歴山口県立下関中央工業高等学校
活動期間2005年 -
ジャンル小説
代表作『蛹』(2007年)『共喰い』(2011年)『ひよこ太陽』(2019年)
主な受賞歴新潮新人賞(2005年)川端康成文学賞(2008年)三島由紀夫賞(200
デビュー作『冷たい水の羊』(2005年)