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スティル・ライフ

池澤夏樹

雪が降るのではない。雪片に満たされた宇宙を、ぼくを乗せたこの世界の方が上へ上へと昇っているのだ。 「大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。 たとえば、星を見るとかして。」 ある日、ぼくの前に佐々井が現れてから、ぼくの世界を見る視線が変わって行った——。 科学と文学が溶け合い、人と世界の関係を鮮やかに詩的に描く、永遠の名作。 中央公論新人賞、芥川賞受賞作。

池澤夏樹

池澤 夏樹(いけざわ なつき、1945年7月7日 - )は、日本の小説家、詩人。翻訳、書評も手がける。日本芸術院会員。 文明や日本についての考察を基調にした小説や随筆を発表している。翻訳は、ギリシア現代詩からアメリカ現代小説など幅広く手がけている。 各地へ旅をしたことが大学時代に専攻した物理学と併せて、池澤の作品の特徴となる。また、詩が小説に先行していることも、その文章に大きな影響を与えている。 声優の池澤春菜は娘。
誕生福永 夏樹(ふくなが なつき) (1945-07-07) 1945年7月
職業小説家・詩人
言語日本語
国籍日本
最終学歴埼玉大学理工学部中退
活動期間1984年 - (作家として)
ジャンル小説・詩・随筆
代表作『スティル・ライフ』(1987年)『マシアス・ギリの失脚』(1993年)
主な受賞歴中央公論新人賞(1987年)芥川龍之介賞(1988年)小学館文学賞(19
デビュー作『夏の朝の成層圏』(1984年)
子供4人池澤春菜
親族福永武彦(父)原條あき子(母)
公式サイト公式ウェブサイト