cover

硫黄島

菊村到

終戦から六年後のある日の夕方、ひとりの男が新聞社に勤める私のところに訪ねてきた。投降前に硫黄島の岩穴にうずめてきた日記を米軍当局の許可を得て掘り出せることになった。そのことを記事にしてほしいという。私はいくつか疑念を抱きながらも記事にした。ところが、後日、彼は硫黄島に渡り、現地で自殺してしまう。男を死に向かわせたものは何だったのか。私は男の足跡を辿りはじめる。昭和文学史に名を残す不朽の戦争文学。
thumbnail

菊村到

菊村 到(きくむら いたる、1925年5月15日 - 1999年4月3日)は作家、小説家。神奈川県平塚市出身。本名は戸川 雄次郎(とがわ ゆうじろう)。 == 人物 == 旧制湘南中学を経て、1944年に仙台陸軍予備士官学校へ入学。翌年卒業し秋田へ見習士官として赴任したが、そこで終戦を迎える。復員直後から早稲田大学文学部英文学科へ通い、この頃から執筆活動を始める。 1948年、大学卒業と共に読売新聞社へ入社。社会部の記者として活動する傍らで執筆活動を行うようになり、同年6月に『川の上』1949年10月に『死臭』を発表し作家としてデビュー。
誕生戸川 雄次郎1925年5月15日 日本・神奈川県平塚市
死没(1999-04-03) 1999年4月3日(73歳没)
職業小説家
言語日本語
国籍日本
最終学歴早稲田大学
ジャンル小説
代表作『不法所持』(1957年)『硫黄島』(1957年)
主な受賞歴文學界新人賞(1957年) 芥川龍之介賞(1957年)
親族戸川貞雄(父)戸川猪佐武(兄)