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妙高の秋

島村利正

奈良へと出郷していく少年期の回想とともに、家族、故郷への想いを謳った読売文学賞受賞作「妙高の秋」、奈良の美術出版社・飛鳥園を舞台に、美しき出会いと別れを綴る「奈良登大路町」、戦時下、師・志賀直哉、滝井孝作との愛情溢れる交流を描いた「焦土」など、寡作で知られる作家の珠玉の八作品を収録。端正な文体で創り出される純度の高い抒情的世界の魅力を凝縮した名作集。

島村利正

島村 利正(しまむら としまさ、1912年3月25日 - 1981年11月25日)は、日本の小説家。 長野県上伊那郡高遠町(現伊那市)に商家の長男として生まれる。家業を継ぐのを嫌がり、1926年、高遠実業補習学校(現・長野県高遠高等学校)を中退。家出して奈良の古美術写真出版社飛鳥園へ行き、小川晴暘の薫陶を受け、志賀直哉、武者小路実篤、瀧井孝作の知遇を得る。1931年、正則英語学校卒業。 1941年に『高麗人』で、1943年に『暁雲』で芥川賞候補となる。戦時中から撚糸工業会社に勤務し、1955年、会社を設立し代表取締役となるが、1962年、倒産し、以後、作家業に専念。若い頃から釣りを好む。
誕生1912年3月25日長野県上伊那郡高遠町(現伊那市)
死没(1981-11-25) 1981年11月25日(69歳没)
職業小説家
主な受賞歴平林たい子文学賞(1976年)読売文学賞(1979年)