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海図

田久保英夫

妻子と別居中の男は、宗子という女と暮らしている。女は海に憑かれた元海軍少尉の父親から、精神的に独立できないでいる。男・女・父親――各々の微妙で危うい関係は7篇の短篇に鮮やかに描出され、時間の経過とともに揺れやがて一つの長篇に固着する。画期的連環小説の手法で家族の崩壊、愛の変容、人生の内面を浮彫りにする読売文学賞受賞作。

田久保英夫

田久保 英夫(たくぼ ひでお、1928年1月25日 - 2001年4月14日)は、東京府東京市浅草区(現在の東京都台東区)出身の小説家。慶應義塾大学仏文科卒。精緻な文体で男女間の心理の陰翳を描き、短篇の名手として知られた。 == 来歴・人物 == 東京府東京市浅草区浅草田中町(現在の東京都台東区日本堤)生れ。父は小峰秀次郎、母は田久保ハル。下町の料亭で育つ。慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業。山川方夫らと第三次『三田文学』を刊行した。
誕生本名も同じ1928年1月25日 日本・東京府東京市浅草区浅草田中町(現・
死没(2001-04-14) 2001年4月14日(73歳没) 日本・東京都
職業著作家
言語日本語
国籍日本
教育慶応義塾大学文学部
活動期間1951年 - 2001年
ジャンル小説
主題心理小説
文学活動三田文学同人メンバー
主な受賞歴第46回芥川龍之介賞(1969年)毎日出版文化賞(1976年)芸術選奨文
デビュー作『緑の年』(1959年)