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濁った激流にかかる橋

伊井直行

激流によって分断された町の右岸と左岸。それをつなぐ唯一の異形の橋。かつての小川は氾濫をくり返し、川幅は百倍にもなり、唯一の橋は拡張に拡張を重ね、その全貌を把握できぬほどの複雑怪奇さを示す。そして右岸と左岸にはまったく気質の異なる人々が住む。この寓話的世界の不思議な住民たちの語る九つの物語。諧謔的かつ魔術的なリアリズムで現代の増殖する都市の構造を剔抉した読売文学賞受賞作。

伊井直行

伊井 直行(いい なおゆき、1953年9月1日 - )は、日本の小説家、東海大学文学部文芸創作学科教授。 宮崎県延岡市大瀬出身、慶應義塾大学文学部史学科民族学・考古学専攻卒業。出版社勤務を経て、1983年「草のかんむり」で第26回群像新人文学賞を受賞して小説家デビュー。 == 受賞歴 == 1983年、「草のかんむり」で第26回群像新人文学賞受賞、同作で第89回芥川龍之介賞候補。 1984年、「パパの伝説」で第91回芥川龍之介賞候補。 1989年、「さして重要でない一日」で第101回芥川龍之介賞候補、『さして重要でない一日』で第11回野間文芸新人賞受賞。 1992年、『雷山からの下山』で第5回三島由紀夫賞候補。 1994年、『進化の時計』で第22回平林たい子文学賞受賞。
誕生(1953-09-01) 1953年9月1日(67歳) 日本宮崎県延岡市
職業作家、大学教員
最終学歴慶應義塾大学文学部史学科民族学・考古学専攻卒業
主な受賞歴第26回群像新人文学賞(1983年)第11回野間文芸新人賞受賞(1989
デビュー作「草のかんむり」(1983年)