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夏至祭

佐藤洋二郎

廃坑の町を棄て、一人の少女を不幸にした負い目を残して都会へ出た靖雄は、過去の傷を抱え、孤独をなめるような生活を続ける。土の匂い、山の息吹に引かれるように戻った故郷は、ベッドタウンとして新たな活力と創造に満ちていた。彼もまた、再生できるのか?人間の生命力を讃える表題作他二編を収録。

佐藤洋二郎

佐藤 洋二郎(さとう ようじろう、1949年〈昭和24年〉6月 - )は、日本の小説家。日本大学芸術学部教授。 == 経歴 == 福岡県生まれ。島根県大田市出身。1974年中央大学経済学部卒業。大学を出て、会計士になろうと簿記学校に通っていたが、小説を書きたいという思いから熱が入らなかった。25歳の時、当時、同居していた弟妹が慶應大学に通っていて、彼らが読んでいた『三田文學』に新人の投稿があるのを知って、はじめての小説「湿地」を書いた。それを投稿すると一年後に掲載され、作家になろうと決心する。