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遠い国からの殺人者

笹倉明

「男の人が倒れている」110番通報の女の声には妙ななまりがあった──。マンションで死んでいたのは大学を中退した無職の若い男。姿をくらましたのは同居していた外国人ストリップ・ダンサー。彼女の身に一体何が起こったのか。彼女はなぜ真の素性を偽らなければならなかったのか。「じゃぱゆきさん」と呼ばれた外国人女性たち、経済大国ニッポンの底辺に生きる彼女たちの姿が、法廷での関係者の供述から次第に明らかにされていく。感動の直木賞受賞作品。

笹倉明

笹倉 明(ささくら あきら、1948年11月14日 -)は、日本の小説家。タイ在住の、上座部仏教の日本人比丘(僧侶)。比丘としての名前はプラ・アキラ・アマロー。シンガーソングライター・レコーディング・エンジニア・スタジオ兼カフェのオーナーで内装職人の笹倉慎介は実子。 == 経歴 == 兵庫県西脇市生まれ。淳心学院高等学校、早稲田大学第一文学部文芸科卒業。広告代理店、フリーの雑誌記者等を経て、1980年、日本人青年の異国放浪を描いた『海を越えた者たち』(第4回すばる文学賞佳作入選)でデビュー。 1988年、『漂流裁判』で第6回サントリーミステリー大賞受賞。