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螢の河

伊藤桂一

苛烈な戦場での日々に、死を凝視しつつ、なお友情、青春が息づく、その刻々を淡々と描いた、直木賞受賞作「蛍の河」。堪え難い神経痛と耳鳴りに悩む“ぼく”が山奥での岩魚釣り中、不意に“生きてゆくこと”を深く認知する名作「源流へ」。「帽子と菜の花」「帰郷」「溯り鮒」「名のない犬」等、詩人の眼が捉えた、戦場、身辺、釣り、動物達との交歓。伊藤桂一の小説世界を開示する珠玉の名篇全十篇。
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伊藤桂一

伊藤 桂一(いとう けいいち、1917年8月23日 - 2016年10月29日)は、日本の小説家、詩人。『静かなノモンハン』などの戦場小説や、時代小説、私小説風な身辺小説などがある。日本芸術院会員。 == 経歴 == === 生い立ち === 三重県三重郡神前村(現四日市市)の天台宗高角山大日寺に生まれる。4歳の時に交通事故で父が亡くなり、寺の所有を巡る争いから7歳の時に家族で大阪に出て祖母、叔母と同居。次いで1926年9歳の時に東京と転々とし、妹の療養のため徳山市にも2年間付き添った。 教師を志して青山師範学校を受験するが失敗し、1932年15歳の時に立正中学に入学、文学に熱中する。 1934年に曹洞宗の寺院に見習いとして入寺し、旧制世田谷中学に転校。
誕生1917年8月23日 日本・三重県三重郡神前村(現四日市市)
死没(2016-10-29) 2016年10月29日(99歳没)
職業小説家、詩人
国籍日本
最終学歴旧制世田谷中学
活動期間1948年 - 2016年
ジャンル戦場小説、時代小説、身辺小説
代表作『螢の河』(1962年)『静かなノモンハン』(1983年)
主な受賞歴千葉亀雄賞(1952年)直木賞(1962年)芸術選奨文部大臣賞、吉川英治
デビュー作『晩青』(1949年)