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叛乱

立野信之

昭和十一年二月二十六日朝まだき、降りしきる雪の中、首相はじめ政府要人が次々に襲撃・殺害された。憂国の陸軍青年将校らが「尊皇討奸」を掲げ、ついに行動したのだ。しかし、正義の決起は徐々に逆賊・叛乱の名を被せられ、主要メンバーは極刑に処される。皮肉な運命を克明に追い、維新に身を投ぜんとする若者たちの情熱や不安、困惑を鮮やかに浮き彫りにした、二・二六事件のドキュメント・ノベル。第二十八回(昭和二十七年)直木賞受賞作。
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立野信之

立野 信之(たての のぶゆき、1903年10月17日 -1971年10月25日)は日本の小説家。 千葉県生まれ。旧制関東中学校中退。 == 略歴 == 旧制関東中学校を経て、20歳で市原郡五井町役場に就職するも、2年後に連隊に入営。除隊後の1928年、軍隊経験を元に書いた「標的になった彼奴」にてデビューする。 当初はプロレタリア文学に傾倒しており反戦的な作品を発表していたが、1930年、治安維持法違反で検挙、翌年獄中で転向を表明した。終戦後の1952年、彼の代表作となる二・二六事件を題材にしたノンフィクション小説「叛乱」を発表。文壇活動としては日本ペンクラブの運営に深く関わり、幹事長、副会長などを歴任している。
誕生1903年10月17日 千葉県
死没(1971-10-25) 1971年10月25日(68歳没)
職業小説家
国籍日本
代表作『叛乱』(1952年)
主な受賞歴直木三十五賞(1953年)
デビュー作『標的になった彼奴』(1928年)