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蒼ざめた馬を見よ

五木寛之

ソ連の老作家が書いた痛烈な体制批判の小説。原稿の入手を命じられた 外信部記者の鷹野は、新聞社を離れ、身分を偽ってソ連に潜入する。 運よく手に入った小説は全世界でベストセラーとなり、ソ連は窮地に立つ。 ところが、その裏には驚くべき陰謀があった! −−「蒼ざめた馬を見よ」 東京で神経をすり減らした男は、休暇をとり、友人を頼ってモスクワへ飛んだ。 そこで出会ったウクライナ出身の美女の過去とは。−−「赤い広場の女」 バカンスのためブルガリアの首都ソフィアを訪れた商社のパリ駐在員は、 妙な雰囲気を漂わせる日本人夫妻と知り合う。その妻に手を出した男が 寝物語で聞いた二人の関係。−−「バルカンの星の下に」 愛する妻、良縁の決まった娘、大学進学を控えた息子に囲まれ、幸せな 生活を送る地方大学の助教授、慎吾。教授昇進も目前に控えていた、 ある日、不気味な電話がかかってきた。 「エラブカから何を持って帰ってきた?」 記憶の深部にきざまれた二十年前の約束がよみがえる。−−「夜の斧」 Q商業高校山岳部のパーティー6人は北陸二県の県境で墜落事故を 目撃する。その直後、吹雪で立往生したため、顧問の黒木は救助を求めて 一人、近くの集落を目指すが・・・。−−「天使の墓場」 直木賞受賞作の表題作をはじめ、いまなお魅力を失わない初期の5編を おさめた代表的作品集。

五木寛之

五木 寛之(いつき ひろゆき、1932年9月30日 - )は、日本の小説家・随筆家。福岡県出身。旧姓は松延(まつのぶ)。早稲田大学露文科中退。少年期に朝鮮から引揚げ、作詞家を経て『さらばモスクワ愚連隊』でデビュー。『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞受賞。反体制的な主人公の放浪的な生き方や現代に生きる青年のニヒリズムを描いて、若者を中心に幅広い層にブームを巻き起こした。その後『青春の門』『朱鷺の墓』『戒厳令の夜』『四季・奈津子』『風の王国』や、『かもめのジョナサン』の翻訳、エッセイ『大河の一滴』など多数のベストセラーを生んだ。
誕生松延 寛之(まつのぶ ひろゆき) (1932-09-30) 1932年9
職業小説家随筆家作詞家
国籍日本・福岡県八女郡
最終学歴早稲田大学露文科中退
活動期間1966年 - 1972年1974年 - 1981年1985年 -
ジャンル小説・随筆
代表作『さらばモスクワ愚連隊』(1966年) 『蒼ざめた馬を見よ』(1967年
主な受賞歴小説現代新人賞(1966年)直木三十五賞(1967年)吉川英治文学賞(1
デビュー作『さらばモスクワ愚連隊』(1966年)
配偶者あり(1965年 - 現在)