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河野多惠子

外房海岸を舞台に、小学一年生の甥と蟹を探し求めて波打ち際で戯れる中年女性の屈折した心理を描き、第49回芥川賞を受賞した「蟹」。ほかに、知人の子供や道端で遊ぶ子供に異常な関心を示す、子供のない女性の内面を掘り下げた「幼児狩り」。夫婦交換による男女の愛の生態を捉えた「夜を往く」「劇場」など、日常に潜む欺瞞を剥ぎ取り、その“歪んだ愛のカタチ”から、よりリアルな人間性の抽出を試みた筆者初期の短篇6作を収録。
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河野多惠子

河野 多惠子(こうの たえこ、1926年(大正15年)4月30日 - 2015年(平成27年)1月29日)は、日本の小説家。本名・市川多惠子(旧姓・河野)。勲三等瑞宝章、文化勲章受章。 == 来歴・人物 == === 生い立ち === 大阪府生まれ。西道頓堀の椎茸問屋の娘。旧制大阪府女子専門学校(新制大阪女子大学の前身、現大阪府立大学)卒業。1950年、丹羽文雄主宰の『文学者』同人となる。1961年『幼児狩り』で注目され、1963年『蟹』で芥川賞を受賞する。
誕生(1926-04-30) 1926年4月30日 日本・大阪府大阪市
死没(2015-01-29) 2015年1月29日(88歳没) 日本・東京都
職業小説家
言語日本語
国籍日本
教育得業士
最終学歴大阪府女子専門学校(現・大阪府立大学)
活動期間1961年 - 2015年
ジャンル小説
代表作『蟹』(1963年)『不意の声』(1968年)『一年の牧歌』(1980年
主な受賞歴新潮同人雑誌賞(1961年)芥川龍之介賞(1963年)女流文学賞(196
デビュー作『幼児狩り』 (1961年)
配偶者ヘンリー市川(1965年 - 2012年、死別)